海外FXで初めて利益が出た人は、税金がどうなるのか気になるでしょう。
実は、国内業者と海外業者では税率や区分が異なるため、きちんと把握しておく必要があります。
そこで、この記事では海外FXの税率や国内とFXの違い、税金に関する注意点まで詳しくまとめました。
この記事を読めば、海外FXの税金の計算方法や確定申告の方法までわかるので、ぜひ最後までご覧ください。
海外FXと国内FXの税金の違い
前述の通り、同じFXでも国内と海外では税金回りが異なります。
主な違いは「税率」と「税区分」です。
ここを知らないと想像以上に税金を取られたり、税金で損してしまったりする可能性もあるため、必ず確認しておきましょう。
税率が異なる
国内FXと海外FXでは、税率がまったく異なります。
それぞれの税率についてまとめると、以下の通りです。
収入額 | 海外FX | 国内FX |
195万円未満 | 5% | 一律20% |
195〜330万円 | 10% | |
330〜695万円 | 20% | |
695〜900万円 | 23% | |
900〜1,800万円 | 33% | |
1,800〜4,000万円 | 40% | |
4,000万円以上 | 45% |
上記に加え、復興特別所得税も加算されます。
税区分が異なる
国内FXと海外FXでは、税区分自体が異なります。
それぞれの税区分についてまとめると、以下の通りです。
所得区分 | 税区分 | |
海外FX | 雑所得 | 総合課税 |
国内FX | 先物取引に係る雑所得等 | 申告分離課税 |
まず、海外FXは総合課税に適用されます。
総合課税に分類される所得の例を挙げると、以下の通りです。
- 雑所得
- 不動産所得
- 給与所得
- 事業所得
海外FXでは、上記の所得と合算して税金が計算されます。
一方で、国内FXは申告分離課税に分類されます。
国内FXでは、他でどんな所得を得ていても税金は一律20%です。
所得などの条件によって、税金は大きく変わります。よって、国内FXと海外FXのどちらが税金が安いか一概には言えません。
納税額の計算方法
海外FXの税金について、知っておきたいポイントは次の2つです。
- 国税庁のツールで計算してくれる
- 取引結果はMT4の取引レポートでわかる
それぞれ順番に見ていって、大まかな納税額について把握しておきましょう。
国税庁のツールで計算してくれる
海外FXの税金は、次の計算式から求められます。
実際に確定申告する際は、必要な内容を入力すれば勝手に計算してくれます。
上記の計算式は、確定申告時以外でどれくらい税金がかかるのか気になったときに使用してください。
取引結果はMT4の取引レポートでわかる
海外FXの場合、一年間の利益や損失は「取引レポート」で把握できます。
MT4の取引レポートを確認・ダウンロードする手順は以下の通りです。
- MT4にログイン
- 対象期間を選択
まず取引履歴を参照したいMT4口座にログインしましょう。
チャート下にあるタブから「口座履歴」を選択し、パネル上で右クリックして「期間のカスタム設定」をクリック。
次に、参照したい期間を入力して「OK」をクリックします。
取引履歴に取引が表示されるので、もう一度パネル上で右クリックして「詳細レポートの表示」をクリックします。
あとは好きな場所にダウンロードすればOKです。
海外FXの税金に関する3つの注意点
海外FXの税金を計算する際は、次の3つのポイントに注意しましょう。
- 確定申告のタイミングは同じ
- 国内FXとは損益通算ができない
- 損失繰越はできない
確定申告のタイミングは同じ
海外FXの税金に関する注意点1つ目は、確定申告のタイミングです。
海外FXでの所得は税率・税区分は異なるものの、日本の法律が適用されるため、確定申告のタイミングは変わりません。
海外FXの所得でも、確定申告のタイミングは他の所得と同じです。
国内FXとは損益通算ができない
海外FXの税金に関する注意点2つ目は、損益通算ができないことです。
国内FXと海外FXでは税区分が異なるため、それぞれの損益を合わせて利益を相殺することはできません。
例えば国内FXの損失が100万円、海外FXの利益が100万円の場合でも、損益通算ができないため、海外FXの100万円に対してそのまま税金がかかります。
ただし、総合課税に含まれるもの(不動産所得や給与所得など)とは損益通算が可能です。
損失繰越はできない
海外FXの税金に関する注意点3つ目は、損失繰越できないことです。
国内FXの場合は、もし損失が出てしまっても3年間は損失を繰り越せる「損失繰越」ができますが、海外FXにはその制度はありません。
例えば、1年目は100万円の損失、2年目は200万円の利益が出たとします。
損失繰越は海外FXでは使えないので注意しましょう。
海外FXで使える3つの節税方法
- 経費を計上する
- 損益通算を行う
- 海外移住する
それぞれ順番に見ていきましょう。
経費を計上する
海外FXの節税方法1つ目は、経費を計上することです。
利益を出すのに使った費用は、経費として申告すれば課税所得を減らすことができます。
- FX関連のセミナー代
- FX関連の書籍代
- 自動売買ツールの購入代金
- インターネット回線
- VPSの料金
- 水道光熱費
- 家賃の一部
- PC・モニター等の周辺機器
- テーブル・椅子等の家具
これらを経費にするためには、購入証明が必要です。
ネットショップ等なら後でダウンロードできますが、実店舗で購入した場合は必ずレシートなどを取っておきましょう。
損益通算を行う
海外FXの節税方法2つ目は、損益通算です。
海外FXは「総合課税に属する雑所得」と損益通算することができます。
- 海外FX
- アフィリエイト収入
- 転売の利益
- ネットオークションの売り上げ
- 公的年金
上記のような所得は、海外FXとの損益通算が可能です。
海外移住する
海外FXの節税方法3つ目は、海外移住です。
年間数千万円単位の利益を出している人は、より税金の安い国に移住するのも、大きな節税になります。
- 台湾
- シンガポール
- タイ
- スイス
大きな利益を出している人は、海外移住も一つの手段として覚えておくと良いでしょう。
海外FXの税金を払わないとどうなる?
海外FXで利益が出たら、必ず確定申告を行いましょう。
もし税金を払わなかったらどうなるのかについて、詳しく解説していきます。
罰則が課せられる
海外FXの税金を納めなかった場合、下記のペナルティを受けます。
- 延滞税
- 無申告加算税
- 懲役刑
納税期限に間に合わなかった場合、延滞税が課せられます。
それに無申告加算税も加わるため、金額的にも非常に大きなペナルティだと言えるでしょう。
さらに、ひどい場合は懲役刑が課せられる場合もあるので、注意しましょう。
税務署には必ずバレる
FXの税金は、隠していても必ず税務署にはバレます。
FX業者は、顧客の取引結果が記された書類を税務署に提出しています。
つまり、投資家が利益を得たことや確定申告しなかったことも全てわかるため、ある日突然税務署から連絡が来る可能性があります。
FXで出た利益は必ずバレるので、必ず確定申告しましょう。
海外FXの確定申告の手順
海外FXの収入を確定申告する手順は、以下の通りです。
- FXの損益を計算する
- 国税庁のページにアクセス
- 申告書の作成開始
確定申告はe-Taxから行うのがおすすめです。
手書きで提出する方法もありますが、記入や計算が難しいため、初めての人はネットの方がやりやすいでしょう。
なお、確定申告には以下の書類が必要になるため、あらかじめ用意しておきましょう。
- 源泉徴収票
- 控除を受けるための必要書類
- 年間取引報告書
- 経費の領収書
それでは、確定申告の手順について順番に見ていきましょう。
(1)FXの損益を計算する
まずは、確定申告が必要かどうか確認しましょう。
海外FXの税金の計算方法は、以下の通りです。
(2)国税庁のページにアクセス
確定申告が必要なことがわかったら、国税庁にアクセスします。
国税庁の「確定申告書作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をクリックしましょう。
次に、提出方法は「e-Tax」を選択します。
(3)申告書の作成開始
次に、「申告書の作成をはじめる前に」という画面が出てきます。
こちらに生年月日や確定申告に関する質問を記入して、給与以外の収入はありますか?という質問に対しては「はい」と回答しましょう。
あとは、入力フォームに沿って申告書の作成を進めていきます。
海外FXは、国内FXとは税率や区分が異なります。
初心者の場合は、ほとんどの人が1年間の利益が330万円未満で収まるはずなので、基本的に国内FXよりも税金は割安です。
これからFXを始める人は、税金面でお得な海外FXで取引するのも良いでしょう。