Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル)とは、Venus(ヴィーナス)とも呼ばれる海外の仮想通貨取引所です。
大手取引所「BINANCE(バイナンス)」が提供を行っており、開発そのものは暗号資産サービス事業を行う「Swipe」にチームによってバックアップされています。
ユーザー同士で仮想通貨の融資を行えるのが特徴で、仮想通貨の“貸し借り”を実現した仮想通貨専用の「マネーマーケット」です。
本項では、Venus Protocolの特徴やシステム、利用方法などを詳しく解説していきます。
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目次
Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル)の概要
Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル:以下、Venus)とはマルタ島の大手海外取引所「BINANCE(バイナンス)」が提供している仮想通貨プラットフォームです。
トレードよりもレンディング(融資)が主軸のシステムで、仮想通貨の貸し借りやステーキングを行えるのが特徴です。
取引所よりも、融資を通して利益を得る仮想通貨の「マネーマーケット」といった側面が強く、レンディングを通した収益獲得が主になります。
つまり、仮想通貨を貸した利息で利益を得るのが中心になるんだね?
Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル)の特徴
Venus の特徴や機能について、それぞれのポイントを踏まえながら解説します。
仮想通貨融資システム「Defiレンディング」
Supply
Venusプラットフォーム上では、自分が持っている仮想通貨を担保として預け入れることができます。
仮想通貨を担保として供給し、流動性を提供することで金利を得られるシステムになっており、供給した分だけ多くの利息を受け取ることが可能です。
仮想通貨を金融商品として機能させる働きがあり、その見返りとして金利や手数料収入を得る運用モデルとなっています。
Borrow
Supplyとは逆に、預け入れた仮想通貨を担保として、別の通貨を借り入れるシステムです。
ポイントは、融資者が借入者の返済能力を超えた金額を融資できる「過剰担保融資」に対応している点で、信用調査無しの場合でも供給した資産価値の60%まで借入できます。
Synthetic Stablecoin
Synthetic Stablecoinとは、価格が“1ドル相当”に固定された「合成ステーブルコイン」を発行できるシステムです。
このステーブルコインは「VAI(ヴァイ)」と呼ばれ、ステーキングを通して福利(報酬)を増やしていくことが可能です。
また、預け入れした対象担保の最大50%の範囲内で、VAIを発行して無利子で借り入れすることもできます。
Venus Protocol専用のオリジナルトークン
ガバナンストークン「XVS」
通貨名称 | XVS(ヴィーナス) |
---|---|
通貨単位 | XVS |
発行枚数 | 3000万枚 |
VenusのDefiレンディングでは貸し付けた仮想通貨の金利と共に、ボーナスとして「XVS(ヴィーナス)」が支払われます。
各DeFiレンディング・プロトコルにおける「議決権」を付与するガバナンストークンで、一定量のXVSを保有する(ホルダー)ことで、Venusのガバナンス投票(※)に参加することが出来ます。
Venusでは、ガバナンス投票の議決権をコミュニティ配布することで、XVSの分散化・ネットワーク価値の保証を図っています。
※ガバナンス投票について補足
一定の仮想通貨を保有者している「ステークホルダー」―つまり、”株主”が意見を出し合ってトークンの資産価値を制御する。
ステーブルコイン「VAI」
通貨名称 | VAI(ヴァイ) |
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通貨単位 | VAI |
発行枚数 | - |
先述したSynthetic Stablecoinの発行によって生成されるステーブルコインです。
ステーブルコインとは、ボラティリティ(※)の振れ幅が少なくなるように価値保証されている仮想通貨のことで、VAIの資産価値は必ず1ドル相当に固定されます。
なお、VAIは2021年2月4日にBINANCEの新興DeFiマーケット「イノベーションゾーン」にも上場しています。
※ボラティリティ:その商品(通貨)がもつ「資産価値」のこと。
リワードトークン「VRT」
通貨名称 | VRT(ヴィーナス・リワード・トークン) |
---|---|
通貨単位 | VRT |
発行枚数 | - |
VRT(ヴィーナス・リワード・トークン)とは、XVSのインフレ制御を目的としたリワードトークンです。
VRTの配布率はガバナンス投票によって制御されており、初回発行はエアドロップ(※)の配布を通して行われました。
なお、VRT は2021年中にVenusプラットフォームのステーキング報酬として導入され、徐々に流通していく予定となっています。
※エアドロップ:ICOやキャンペーンなどのイベントを通して仮想通貨を配布する、独自トークンの運用モデルを指す。
Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル)の信頼性・安全性は?
Venus のプラットフォームは、ブロックチェーンサイバーセキュリティ企業「CertiK」によって正式なセキュリティ保護を受けています。
厳重なスマートコントラクト検証・監査によって、不正ログインやハッキング攻撃からプラットフォームを守り、保有資産の流出や個人情報の漏洩を防ぎます。
この監査はSwipeを通して行われており、公式ページから監査レポートやセキュリティ状況の詳細確認ができます。
CertiKとは?
Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル)の口コミ・評判
#BNB を供給することで、バリデータ報酬の一部も受け取ることができるとのこと。#Venus に預けるメリットがまた増えますね🤤
#BSC #BinanceSmartChain $XVS
The #Venus #BSC Validator program will enable ~45%+ #BNB single asset Vaults on @VenusProtocol. $vBNB holders will receive their proportional amount of transaction fees earned for blocks validated on #BinanceSmartChain & what they earn for supplying #BNB
— Venus (@VenusProtocol) May 15, 2021
Powered by $XVS pic.twitter.com/w97SmcZtfu
VenusからXVS頂きました
BTCのままDeFiやりたいならVenusいいよ
BTCを担保として預けてVAIとBUSDを借りて、pancakeでそのペアでCAKEを掘れるし、Venusからも預けと借り入れに対してXVSが貰える
ステーブルを借りておけば価格変動なく、預けた金額の30%くらいの借り入れにしておけばリスク低め
#Venus
#BSC のレンディング大手「Venus」の利用リスクをまとめるブログ記事でも書きますかね。
割とみんな思考停止で信頼してる気がするんで、リスクは知っておくべきですな。
口コミの総括
日本国内でもVenusのレンディングを利用しておる人が多く、またボーナスの多さに着目しているユーザーも見受けられます。
享受できるメリットが多い一方で、借金お夜破産や、資産凍結によるカウンターパーティリルクなど、融資の危険性を懸念するユーザーも少なくありません。
良い評価ばかり鵜呑みにするのではなく、失敗した人たちの注意喚起にもしっかりと耳を傾けたほうが良さそうです。
Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル)の手数料
Venusを通して送金を行う場合、決済手数料として少額の「BNB(バイナンスコイン)」を支払う必要があります。
また、Venusから資産を出勤する場合も0.01%の引出手数料が発生します。
その他、VAIの発行でローンを利用する場合にも、0.01%の発行手数料がかかります。
BNBは、発行を元のBINANCEを始め様々な海外取引所で購入することが出来ます。
- BINANCE(バイナンス):発行元
- FTX(エフティーエックス)
- BitMax(ビットマックス)
- KuCoin(クーコイン)
- BitMax(ビットマックス)
- Gate.io(ゲート) …など
Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル)の注意点
仮想通貨レンディングは通常の融資よりもリスクが高く、様々な危険性を孕んでいます。
ここでは、Venus上で陥りやすい融資リスクを取り上げて紹介します。
契約不履行による「カウンターパーティリスク」
カウンターパーティリスクとは、取引先の破綻・融資システムの停止によって融資契約が履行されず、損失を被るという「信用リスク」の一種です。
Venusでは仮想通貨の規制や、ハッキング被害による資産凍結の危険性が高く、最悪の場合は預け入れた資金が動かせなくなる恐れも。
さらに、レンディングは通常の融資と同じように融資保証が適用されず、損失を取り戻すことが非常に難しいので十分に注意しましょう。
注意!
ハッキングといった犯罪行為だけでなく、取引所のシステムトラブルや所在地の制度改正にも影響されやすく、常に意識する必要があるでしょう。
過剰担保融資による「破綻リスク」
・過剰担保融資のシステムは先述したように、「融資者が借入者の返済能力を超えた金額を融資できる」というものです。
しかし、仮想通貨レンディングの金利は高く、予想以上の資金確保を余儀なくされてしまうケースも。
結果、複利が積み重なって返済できなくなり、経済破綻してしまう危険性が非常に高いのです。
第二の「CAN事件」が発生するリスク
CAN事件とは、2021年1月14日にVenus上で「CAN (CanYaCoin)」という仮想通貨が追加されたことで起こったBTCB凍結トラブルです。
詳しい経歴を解説すると非常に長くなってしまうので、事件の要点のみをまとめました。
- パートナーシップであるSwipeがCANをVenusに上場。
- とある機関投資家が、Swipe Walletに保管しているCANをBSCに移行するべく、Venus上にCANトークンを作成。
- ところが、売値が安い状態のCANを供給全体の45%という量で供給してしまったため、大口投資家による買い占めが発生。
- この買い占めを受け、Venus Protocolのシステムが「CANのトレンドが上昇中」と誤認、CANの価格を引き上げたことで前代未聞の暴騰が発生。
- 機関投資家は、VenusからBTCBとETHを借入してCANを引き出したために、この2つの通貨の流動率にも影響が発生。
- ―結果として、担保として預けられていたBTCBが凍結する事態に発展。
この事件のそもそもの発端は、適切なチェックなしに新規トークンを追加し、さらに担保資産として承認してしまった事でした。
運営であるBINANCEの迅速な対応によって早期の収束を迎えましたが、Venus Protocolのシステム上、第二のCAN事件が再発する可能性があることも留意しましょう。
Venus Protocol (ヴィーナスプロトコル)の利用方法
Venus Protocolは、サイトにアクセスするだけでは使うことが出来ません。
保有している仮想通貨を引き出すためには、BNVのネイディブチェーン「BSC(バイナンススマートチェーン)」に対応可能なDEXまたはウォレットに接続する必要があります。
利用方法
※接続方法は使用しているブラウザやウォレットなどで異なるので、ここではイーサリアムウォレット「MetaMask」を例に解説しています。
まずは、予め接続したいウォレットを立ち上げた状態で、公式サイトにアクセスして左下の「connect」をクリック。
すると、このような画面が表示されるので、「次へ」をクリックして接続の準備を行います。
接続したいウォレットまたはDEXを選択して、「接続」をクリックして認証を行いましょう。
無事に接続が成功すると、上記のようにダッシュボード画面が表示されます。
補足:MetaMaskのBSC接続方法
まず、新規ウォレットを作成した状態で、右上のメニューから「カスタムRPC」を選択します。
上記の入力を参考にしながら、BSCの接続設定を行い「保存」をクリック。
PRC URL:https://bsc-dataseed.binance.org/
チェーンID:56
通貨シンボル:BNB
ブロックエクスプローラのURL:https://bscscan.com/
ホームがこのような画面になるとBSC接続成功となります。
まとめ
以下、Venus Protocolの特徴についてメリット・デメリット別にまとめました。
・草コインを借り入れることで購入しなくても取引できる
・仮想通貨の保有によってステーキング報酬を獲得できる
・価格変動の影響を受けないステーブルコインを発行できる
・独自トークンの保有で様々なユーザー特典を受けられる
デメリット
・通常の融資よりもリスキーで、計画的に借り入れしないと破綻する可能性が高い
・レンディングにおける融資保証がないためリスク対策が難しい
レンディングはリスクの大きな融資システムですが、ボラティリティの幅が大きな仮想通貨で安定した利益を出せる少ない方法でもあります。
カウンターパーティリスクを始め、様々な融資リスクを被る危険性を考慮しつつ、無理のない範囲で融資を行いましょう。
新興国の規制当局や中央銀行などと対話を進めており、今後の大きな事業拡大が期待されています。
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